60円タクシーからルマンの覇者まで・・・ [minicar]
このチェリカフェニックス(大盛屋)のコンテッサスプリントは、
私にとってとても思い出深いモデルです。
モーターショーで実物を見て一目ぼれし、名前だけはずっと記憶していました。
後年、このミニカーの存在を知ってからも手に入れるのには時間がかかりました。
日野はルノー4CVのノックダウンから乗用車の生産を始め、
日野オリジナルのコンテッサ900を経て、
コンテッサ1300で乗用車の生産をやめてしまいトヨタの傘下に入りましたが、
一貫してリアエンジンのスポーティなクルマを作っていました。
レースにも力を入れていて1300クーペ(写真上はダイヤペット)には、
ボディを薄くするなどして100キロ以上軽量化したレース用のモデルも存在しました。
これは当時北米のレースで強敵ミニクーパーを倒すために作られたものです。
この4CVはタクシーと言って市販されているモデルですが、正体はSBの宣伝カーです。
記憶に間違いがなければ、希望者は抽選で手にできる代わりに、
このまま1年間?乗ることを義務づけられていたように思います。
当時4CVはタクシーとしてかなりの台数が走っていました。
初乗りはルノーが60円、ブルーバードが70円、クラウンが80円でした。
バンパーを延長するなどして中、高速車の規格に合わせ、
当時都内にまだたくさんあった路面電車の軌道敷内も走れるようにするなど、
メーカーも力を入れたせいでもあります。
クイックなステアリングとリアエンジンのトラクションの良さで、まるで水すましのようでした。
神風タクシー、なんて言う言葉が生まれたのもこの頃でしたね。
日野は900スプリントを発展させ、同じミケロッティのデザインで1300スプリントも作りました。
そしてこの1300スプリントのエンジン、足廻りのチューンをアルピーヌに依頼したのです。
結局スプリントは市販化には至りませんでしたが、
900は今でも日野が所有し、きれいにレストアして本社に展示してあります。
一方の1300は数奇な運命に翻弄され、打ち捨てられていたのを旧車雑誌が取り上げて、
今は個人の方が独力でレストアされています。
アルピーヌの始まりはやはりルノー4CVからでした。
やはりキビキビした操縦性にはスポーツカーとしての素質があったのですね。
エリゴールの4CVとCIJのA106(リペ)。
アルピーヌと言えばやはりこのA110でしょう。
一時期ラリー界を席巻した名車ですね。
ソリドやべレムから数多くのバリエーションが出ています。
プラノレブの味のある110と、ストライプのカッコいいR8ゴルディーニ。
ルマンなどの高速コース向けに作られたレースカー、A220(ソリド、ポリトイM)、M65(ナコラル)。
最初は熱効率や性能指数を争う小排気量のクラスで戦っていましたが、
やがて総合優勝を目指していくことになります。
ルノーはツーリングカーレースやワンメイクレースにも力を入れていました。
オートピレンの17と12、ソリドの17と5。
レーシーなカラーリングがいいですねぇ。
A310は最後はV6を積んだりして大きくなってしまうのですが、この2台は初期型のモデルです。
赤い方がソリド、ブルーメタはノレブです。
いよいよアルピーヌというかルノーが勝ちにいった時期ですね。
右からA441、A441ターボ(ソリド)、A442(ダンディ)、そしてルマン優勝車(ソリド)。
’90年代のBTCCやラリーのマシンもアルピーヌの工場から送り出されたものです。
右からマキシメガーヌ、ラグナが2台(すべてビテセ)。
この小さなフォーミュラマシンはマジョレのアルピーヌです。
トレーラーを引いていたDSは行方不明ですが、これは最小のマジョレ?かな。
有名な日野のレーシングカーと言えばこのサムライでしょうが。
アメリカで作られ日本GPに参加するため空輸されたのですが、
レース前の車検で失格(車高の問題で)して結局レースは走りませんでした。
ミステリアスな1台ですが、ポリトイがよくぞ作ってくれましたね。
このモデルはねこざかなさんが詳しく書いておられます。
’60年代のフランスには、空力的なデザインが面白いレーシングカーが数多くあります。
少ないパワーで効率良い走り、このころのフランス車に通じるものがありますね。
ノレブのCDプジョーです、実際にはあまり有効ではなかったようですが、
大きな垂直尾翼が特徴的なデザインですね。
赤い方はなぜかコルベア(先進的なアメ車です)に牽かれています。
カメラカーはルノー16です。
ソリドのDBパナールとCIJの“流星号”です。
フィアットにはアバルト、ミニにはクーパー、ルノーにはやっぱりアルピーヌですね。
かのゴーン氏もアルピーヌの名前を使うことに積極的だとか・・・
もうじきアルピーヌの名を冠したスポーツカーが現れるかもしれません。
創設者のジャン・レデレが亡くなってもうすぐ1年です。
2008-07-20 01:00
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コメント(13)
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思い入れのある車が続々適切な解説と共に公開ですね。
立派なラインナップですね。
コンテッサ、う~ん、懐かしい。この車の後部座席に乗せてもらって東北の曲がりくねった山中を夜中にラリーのごとく飛ばしてもすばらしい性能に驚いた事あります。
“流星号”かっこいい!!!
by いっぷく (2008-07-20 09:32)
当店からクルマで10分くらいのところに、古くからS&Bの工場があります。
前を通ると、その日の生産ラインがカレー粉かガーリックパウダーか、辺りの匂いで100%わかるんですよ(笑)
by ベアトラック (2008-07-20 21:50)
ロンツーです。
いやぁさすが・・お詳しい!
それに日野からルノー・・アルピーヌへの展開も凄いですね。
私もA110大好きでした。
ストラトスもそうですが、この様な未来系の車がラリーで活躍してたのですからね!
ん・・英国車だけじゃなかったのですね!
そう言えば・・以前アバルトの記事もありましたな・・
by メルシー (2008-07-20 22:14)
ここは小さな博物館ですね。
名ガイドは居るし、コンディションはいいし
勉強になりますね。
コンテッサは小さい頃に近所の家にいましたが
4CVのステアリングを握られた1275GTさんって・・・(笑)
by ちんたん♪ (2008-07-21 19:43)
いっぷくさん
今はフロアパンの共通化などコスト削減が第一ですが、
’60年代は個性的なクルマがたくさんありましたね。
残念ながらもう車庫がいっぱいですが(笑)
趣味としてこの時代の国産車にも乗ってみたいです。
流星号のようなレコードカーも大好きですよ。
by 1275GT (2008-07-21 22:37)
ベアトラックさん
団塊+αとしては、カレーライスはご馳走です(今でも)
子供のころ近所の公園に、
オリエンタルカレーの宣伝カーが来て、サンプルを配っていた話・・・
さすがに古すぎですよねぇ(笑)
工場の外までカレーの香りがするんですか?
うれしいような、辛いような・・・(笑)
by 1275GT (2008-07-21 22:52)
ロンツーさん
コンテッサスプリントの話だったんですけど、
いつしか昔話に・・・まぁ、いつものことですが(笑)
で、結局レーシングカーで終わるというのも、いつものパターンで(爆)
えっ、ストラトス・・・ジーロ・デ・イタリアを走ったターボ、好きです。
羽根の生えたやつは基本的に好きです(笑)
ミニは大好きですが、旧いものから今車まで、クルマはなんでも・・・
もちろんミニカーはなんでも・・・かなり偏っていますが(笑)
by 1275GT (2008-07-21 23:06)
ちんたん♪さん
さすがに日野ルノーの時代は小学生ですから・・・(笑)
もっとも親戚のクルマ屋さんに、ハンドルは握らせてもらいましたが。
もちろん静止状態です・・・(笑)
クルマは何でも好きです、バスでもトラックでも・・・
“うんちく”はさらに好きです(笑)
by 1275GT (2008-07-21 23:20)
日野>ルノー>アルピーヌと、見事なバトンリレーですね!
それにしても素晴らしいビンテージがぞろぞろと・・・(羨)
私ならどの一台をとっても、一話分のネタにしちゃうなぁ(貧乏性)
あ、そうそう、サムライのリンクありがとうございました~。
by ねこざかな (2008-07-23 02:27)
ねこざかなさん
サムライのリンク、勝手に貼っちゃいました(スミマセン)
えっ、解説が面倒だからだろうって・・・図星!(爆)
これからもよろしくお願いします・・・って(ヲイ)
この連休中に“強制撤去”されそうな通路の山を片づけました。
ネタ・・・出てきましたよ(笑)
by 1275GT (2008-07-23 12:46)
オリエンタル・カレー・・・いとしこいしの『がっちり買いましょう』ですね(爆)
by ベアトラック (2008-07-23 13:07)
ベアトラックさん
お忙しい中、再度コメントありがとうございます。
『がっちり買いましょう』・・・懐かしいです。
未明にまた東北地方に大きな地震がありました。
今年は何か変ですねぇ。
by 1275GT (2008-07-24 12:30)
miru2009さん
はじめまして、
nice!ありがとうございます。
by 1275GT (2011-06-19 00:25)