碓氷峠鉄道文化むらへ・・・ [鉄道趣味]
梅雨の晴れ間をぬって「碓氷峠鉄道文化むら」へ行ってきました。
ここんとこすっかり鉄道ネタづいていますが(笑)
今回は“廃線跡”を歩くと言う、ディープな楽しみも少し味わうことができました。
軽井沢に向かう、碓氷峠の旧道から見ることのできる「めがね橋」は、
アプト時代の旧線で明治時代に架けられた橋です。
レンガ積みの壮大なアーチは圧巻ですねぇ。
今回、この「めがね橋」までの線路跡を歩いてみました。
「鉄道文化むら」は’97年まで使われていた、信越線横川運転区構内の跡地を利用していますが、
レールを撤去せずにそのまま敷いてあるのは嬉しいですねぇ。
もちろん、補修庫の建物もそのままです。
本来なら、横川駅そばの起点から歩き始めるのですが、
我々は歳を考えて、途中の「峠の湯」までトロッコ列車「シェルパくん」に乗りました(笑)
横川側に小型DLを連結した2両編成なので、行きは推進運転です。
この元保線用のDLも急勾配専用なのですが、
老朽化が進んでいて“新造”の予定があるそうです。
元信越本線だった線路上をゆっくりと登って行きますが、結構な勾配ですね。
旧丸山変電所です。
これも重要文化財で近年補修されましたが
山の中に突然現れる立派な建築物には驚きました。
ここは駅になっていて、見学、写真撮影のために5分くらい止まります。
複線の半分は遊歩道として整地されていて、やはりレールが残されていました。
施設された(埋めてあります)レールに沿って歩くと言う、
廃線探訪の雰囲気もあって良いアイディアですね。
さて、歩き始めます。
こちらの旧線は使われなくなって40年以上経ちますが、
きちんと整備してあり歩くのはとても楽です。
(長ーい坂道であることを除けばですが・・・)
この日は日差しはありましたが、山の風が心地良かったですね。
歩きだしてすぐに、最初のトンネルが見えてきました。
当然ですが、中は真っ暗です。
所々に照明はありますが、空気がヒヤッとして夏向きですね(笑)
保線員の人が避難する窪みでしょうか、明治時代のままなんでしょうねぇ。
当時、碓氷線は建設を急ぐあまり、500人近い殉職者を出したそうなので、
なんか変なモノが写っていても不思議はないのですが・・・(笑)
木立の中を進むこの辺は、線路の跡が良くわかります。
次のトンネルも立派なレンガ造りで、パラペットと呼ばれるアーチ上の部分も立派ですね。
これは、剥がれ落ちたレンガの部分を補強してあります。
短いトンネルの連続で、当時の難工事がうかがわれます。
ウイング、パラペットも含めると巨大な構造物だと言うこともわかりますね。
古いトンネルを観察しながらのウォーキングは、マニアならずとも興味深いと思います。
って、やっぱり興味はないかなぁ(笑)
普段、近所の公園で1周2キロの遊歩道をたまに歩いていますが、
そこは平坦な道で、こんな“急勾配”は想定外です(笑)
ED42はアプト式とはいえ、良くこんな坂を列車を牽いて上ったもんですねぇ。
もっとも編成が長大化してからは、3重連、4重連なんてのもあったみたいです。
さらに遡ってみれば、SL(アプト式)の時代もあったわけで、
このトンネルの連続は乗客はもちろん、
乗務員の苦労は並たいていじゃなかったでしょうね。
薄暗い木立を抜けると、碓氷湖が見えてきました。
静かな湖です、赤い橋が印象的ですね。
この辺で、二人共ひと休みしたいところですが、
帰りの「シェルパくん」の時間があるので、先を急ぎます。
トンネルを通して次のトンネルが見えます。
帰ってきたひとに聞くと、「めがね橋」はあの先だそうです。
先が見えると何となくチカラも湧くようで、俄然スピードが出ます(笑)
ひときわ立派なトンネルが見えてきました。
目的地まではもうすぐです。
それにしてもトンネルばかりですね・・・
最後の力を振り絞って坂を登る我々をあざ笑うように、
長い・・・おまけに中でカーブしています(笑)
ゴール間近なんですが、もう足にチカラが入りません(笑)
普段の運動不足を、嫌と言うほど思い知らされました。
出ました、第3橋梁「めがね橋」につきました・・・ゼーゼー・・・(笑)
恐る恐る覗いて見ると結構高いです(高所恐怖症です、ハイ)
反対側はこんな感じです。
レンガを積み上げた、明治の職人さんに畏敬の念を感じます。
この橋を渡り終えたところで、遊歩道は終点です。
もっとも、この先も整備して開放する予定があるとかで、楽しみですねぇ。
帰りは歩いていても小走りになってしまうくらいの下りで、
膝がガクガクになりましたが、何とか時間に間に合いました(笑)
この日は早く帰る予定があったので、次はもっとゆっくり歩きたいと・・・
展示車両や資料館もとても充実していて、興味は尽き無いのですが・・・
今回は時間の制約もあり足早に見学するだけにとどめました。
EF62は横川・軽井沢間を通る客車や貨車の牽引専用に作られた電機で、
独特な3軸台車やFRP製の屋根など、軽量化が施されています。
旧国鉄色も重厚な感じがしていいですねぇ。
EF63はこの碓氷峠専用の機関車です。
EF62が牽く列車はもちろん、電車もこの機関車が引っ張り上げていたのです。
全てがこの横川に配属され、ここで一生を終えました。
実はこのEF63を使って「体験運転」と言うのをやっています。
講習を受けるなどの座学も必要ですが、本物の電気機関車を運転できるのです。
学科に合格すると、運転経験によって見習いから本務機関士までの資格が貰えます。
クルマ以外にも、機関車の運転ができれば何かと便利かも(笑)
お気に入りのDD51のこれが1号機です。
北海道で活躍する兄弟達とはちょっと違ったスマートな車体ですね。
中にも入ってみました。
えぇ、もちろん座りましたよ(笑)
こいつは「架線保守用軌陸車」と言う名前の、線路も走れるトヨタダイナです(笑)
線路の上では、こうやってパワーを伝えるんですね。
「お座敷列車」の中は初めて見ました。
他にも色々面白そうなものがあって、
もう少し、もう少しと言っているうちにタイムアップ!(笑)
また、紅葉の季節にでも訪れてみたいと思っています。
2009-07-21 23:36
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コメント(14)
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へえ~、こんな施設になってるんですか。群馬生まれなのに知りませんでした。いつも「旧道を攻める」しか考えてない、おバカなバイク乗り。
お昼はもちろん「おぎのやの釜飯」ですよね。
by どんなときも黄色好き (2009-07-22 08:52)
どんなときも黄色好きさん
なるほど、群馬生まれの西海岸育ちでしたか(爆)
横川~軽井沢間は廃止後も線路、施設ともそのままになっています。
さらにここへきて、観光鉄道として復活させる案も出ています。
「めがね橋」周辺に路駐する観光客の多さを見ても、ニーズは十分にありそうですね。
旧道はご存知のように曲がりくねった細い道です。
路駐するクルマや横断する歩行者には危険を感じました。
って、我々もその一人ですが・・・(汗)
「おぎのや」は中にも売店がありましたが・・・
今回は予算の都合でやめときました(笑)
by 1275GT (2009-07-23 08:13)
ロンツーです。
私も古ぼけたレンガ造りの建物を見つけるとパシャリとしてしまいます。
味のある風合いは、人工的には無理ですね!
それにしてもトンネル怖そうです。
by merci (2009-07-23 22:26)
ロンツーさん
このあたりのトンネルや橋は国の重文になっています。
もちろん、トンネル内部もレンガが積まれて出来ていて、
それは見事な造りですよ。
明治時代の建造物としては良く残っていましたねぇ。
トンネルは、怖くない程度に照明がありますが、
夕方以降は入りたくないですねぇ(笑)
by 1275GT (2009-07-23 23:33)
滞在中のサンタフェのホテルで、終日システムダウンが復旧されず、今やっとこちらにお邪魔できました。アクセスは息切れ状態です(苦笑)
碓氷峠・・・なんとも懐かしい響きの地名です。
by ベアトラック (2009-07-24 09:52)
ベアトラックさん
遠くから有難うございます。
いつも抜けるような青空なのに、いきなり豪雨からのスタート。
あれから、お天気は大丈夫でしたか?
碓氷峠・・・小学校の林間学校で、列車で初めて通過しました。
あまりにも“昔”過ぎて、記憶が蘇りませんが(笑)
by 1275GT (2009-07-24 20:53)
今、サンタフェは25日(土)午後7時過ぎです。日没まであと1時間です。
あれから、ずっと晴天続きでしたが、先程から激しい稲妻を伴う夕立になりました。標高2100mの天候は変わりやすいですね。
by ベアトラック (2009-07-26 10:06)
こんな山の中に、機関車がいっぱい!
SLは無いんですね。
アプト式、なんだかいい響きです。
ソロツーにぴったりだなあ~
今度行ってみます!
by ちんたん♪ (2009-07-26 13:24)
ベアトラックさん
再度、遠くから有難うございます。
今回は、ホテルのシステムダウンで大変だったんですね。
今は、仕事もプライベートもすべてネットですからねぇ。
ベアトラックさんの“食事”を拝見している限り、
体調の心配はいらないみたいですね・・・(笑)
by 1275GT (2009-07-26 21:52)
ちんたん♪さん
久しぶりに頑張って歩いたので、後が大変でした(笑)
屋外展示のSLはナメクジドームのD51がありましたね。
電化前の信越線はD50やD51がたくさん走っていました。
碓氷峠だけが電化されていたアプト式の時代ですね。
碓氷峠は歩いてみて、初めてその過酷さを実感します。
深い緑の中、歩きながら遠い昔に思いをはせていました。
by 1275GT (2009-07-26 22:35)
EF63がすごく見覚えあるというのもHOゲージの模型でこの車両をさんざん動かしていました。今はレールなどとともに奥深く青い箱に戻してしまってあります。
ということで、普段あまり意識しなかったけれど自分は意外にも「鉄ちゃん」であると本日、自覚しました。
by いっぷく (2009-08-09 17:06)
いっぷくさん
私はここの展示車両と同型の、赤いEF70(カツミ製)を持っています。
今でも静かなモーター音で走りますよ(笑)
鉄ネタを書いていると、意外なところから「鉄チャン」が現れます(笑)
結構、皆さんお好きなんですねぇ(爆)
昔取った鉄道写真など眺めていると、改めて興味が湧いてきたりします。
by 1275GT (2009-08-09 22:35)
自分の母方の田舎が長野の佐久なので、ここはそれこそ赤子の頃から必ず通っていました。
新幹線が開通する直前にビデオで横川と軽井沢間を往復して撮影しました。もちろん写真も・・・。
おっしゃるとおりほとんどがトンネルで、画像としては真っ黒!ロクサンの重連だったと思いますが、あの進み方はホント今でも覚えています。グッグッと上がっていくんですよね~
特急も急行も、必ずこの横川では12~15分くらい停車してました。
そして、その間にお金がある時は釜めしを、お金がないとかけそば・・・。記憶にあるのは当時釜めし300円でした。小学生高学年にはもう一人で行ってましたので、親からもらうお小遣いをあれこれやりくりして食べてました。ですから上野では何も買わず、我慢したりして・・・。でも、当時は子供が一人で乗っていると、あれやこれやくれるんですよね。懐かしいな~
この施設はまだ行ったことがありません。
今度、機関車の免許取ってこようかな~
DD51の1号機とかもあるんですね。
面白そうです!
by JUN (2009-09-08 09:58)
JUNさん
お待ちしておりました(笑)
小学生の時から・・・筋金入りの鉄チャンですねぇ(爆)
“ロクサン”はあらゆる列車と連結できるように、
スカートにジャンパー受けやホースがたくさん付いています。
そのメカニカルな出で立ちがたまらなくカッコいいですね。
横川~軽井沢間は観光路線として、
復活させようと言う計画が進んでいるようですよ。
残されている線路や架線が風化しないうちに、
もう一度見てみたいですねぇ。
旧線の遊歩道も「熊野平信号所」まで延長があるらしいです。
「峠の釜めし」、今は900円もします。
お土産に、家族分買っていく予定でしたが・・・
結構な金額になるので、別のものにしました(笑)
by 1275GT (2009-09-10 22:30)