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ガマンの電気グルマ(北海道旅行③) [北海道旅行]

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「エアコンを入れて山道を走ると・・・100キロくらいかなぁ?」
って、日産レンタの係のひとに言われて、思わず!?・・・

まだまだインフラが整わないうちは、モノにはならないだろうって思っていたけれど、
レンタカーがあるんじゃ、アマチュアと言えどジドウシャ評論家としては試すしかないと・・・(笑)
函館で、日産リーフに乗ってみることにしました。

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ささっとコクピットドリルを済まして走り出してみると、ほほぅなかなか良く走るじゃないの。
しかし、エンジンの音がしないのは気持ち悪いなぁ・・・(笑)
ん、電池の残量が・・・右隅の数字、確か走り出しの時は170kmくらいあったはず、
しかも、急速充電器があるのは逆方向へかなり走ったところ、
こうなったら、今ある残量で何とか持たせるほかないと・・・

なんと、北海道でエコランかよ!(笑)

幸い今日は比較的涼しいので、エアコンはオフ、ドライブからエコモードにシフト。
もともとペダルは床まで踏むものと思っているのを、
そぉっと踏んで速度が乗ったら空走の繰り返しで、ガマンの走りです(笑)

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回生充電が効いたのか、何とか残量を2/3程残したところで、トラピスト修道院に到着しました。
函館にある女子のトラピスチヌ修道院は比較的有名ですが、
ここは女子禁制の男子修道院です。

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長い階段を上ると立派な門があります。

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正式な名称を「灯台の聖母トラピスト修道院」と言うのですね。
このガチッとした鉄の扉が“世界”を分けているようで・・・

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ほらね、書いてあるでしょ「男子に限る」・・・って。
さらにきちんとした手続きをして平日に行かなければ見学は出来ません。

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鉄の扉から垣間見えた古めかしい建物からは、どこか強く身が引き締まるようなオーラが感じられ、
悔い改めることばかりの人生を送ってきたワタシは、そばにいるだけで震えがきました(苦笑)

さて、物見遊山の観光客は駐車場の売店で、おいしいクッキーでも買って帰りましょう(笑)

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坂の途中にとても興味深い資料館があります。
明治時代に北海道の地に、現代のような大規模なアメリカ式の農業を取り入れた、
川田龍吉男爵の足跡をたどった資料館です。

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アメリカから材料を輸入して建てた当時の牛舎です。
まるで船を逆さにしたような木組みが面白いですね。

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まるでブルトーザーのような当時のトラクターも保存されています。

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当時の農機具から生活用品等まで、その展示物は興味深いものばかりです。

北海道産ジャガイモの「男爵いも」は川田男爵が外国から種いもを輸入して、
試験的に自分の農場で育てて研究の後、広く北海道の地に広めたものです。

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そして、なんとまだスチームエンジンだった自動車を初めて買った、
オーナードライバーの第1号でもあるそうです。

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川田農場の倉庫に眠っていたこの“クルマ”を分解して、
東京に送りレストアした記録が写真と共に展示されています。

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思うに、ワタシはこういう古いクルマのレストア風景っていうのに弱いんですよねぇ(笑)
もう根気も体力も失せてしまいましたが、憧れだけは持っています。

完成の後、北海道に戻って来て燃料の揮発油を燃やして水蒸気を噴きながらトコトコ走ったそうです。

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今は、イベント用にガソリンエンジンで走るレプリカもあるようですね(笑)

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スペアパーツも展示してありましたが、白いタイヤの当時ものを初めて見ました。

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さて、ほぼ1世紀ほど経って作られた“未来のクルマ”は、
相変わらず耐久レースの最後のスティントのように、ガマンの走りで函館山を目指します。

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山道にかかったとたん、非情にもバッテリー残量はみるみる減っていきます。
やむを得ず駐車場に戻り、ロープウェイで昇ることにしました。

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はたしてこのゼロ・エミッションの、電気のチカラだけで走るクルマはどうだったのか?
何度か試みたDモードでの全開走行では、1.5トンもあるクルマとは思えないような、
素早く息の長い加速を楽しむことができます。
ただ、走行距離が一気に縮まってしまう覚悟はしなければいけませんが・・・

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確実に急速充電できる場所が約束できない限り、ガマンのエコランはついて回ります。
それも、走行パターンによって大きく変わってしまうのも不安の残るところですね。
特に冬の厳しい地方では熱源を持たない仕組みゆえ、ヒーターが一番の問題ですね。
冷やすより温める方が電力を使うそうですから・・・

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という、いくつかのネガの部分を感じつつ80kmほどの“テスト”は終了しましたが。
全くこのクルマの予備知識も無く、フツーにドライブ出来るかと言うと・・・
残念ながら現状でのフルEVはまだ無理、と言う私見が結果ですね。
早くも“電欠”の心配のないプラグインのハイブリッドを出したプリウスの決断やいかに?

今回レンタカーの設定が無くて希望はかないませんでしたが、
内燃機関の性能を高めることで燃費とCO2をクリアしたマツダのスカイアクティブや、
小排気量に過給して、さらに気筒休止も取り入れた、
VWのUP!(夏頃には上陸予定)にもぜひ乗りたいですね。

今回の旅行では、比較的手ごろで常識的な選択と思われる、
ホンダのフィット・ハイブリットに2日間400km程乗ってみたので、そのレポも予定しています。








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コメント 11

conta

リーフ・・・どうも自然がいっぱいの北海道、特に厳寒期の中山峠なんかはちょっと難しそうですね。
by conta (2012-06-23 22:17) 

ねこざかな

リーフ、私も試乗したことがありますが、加速のよさには驚きました。
ただ・・・やっぱ、北の大地で立ち往生のリスクは恐ろしいですね(汗)

トラクター、無闇に強そうでGOOD!
日露戦争に試験投入された、なんて嘘歴史をこさえたくなります。

蒸気と電気の自動車、もし話せるなら、どんな会話をするのでしょうね。
そもそも言葉が通じるのか・・・いや、黎明期には電気自動車も居たはずだし(悩)
by ねこざかな (2012-06-23 23:30) 

T-Bone

若い頃バッテリーあがり気味のポンコツばかり乗ってたので「リーフ試乗記」、妙にシンパシーを覚えてしまいます(笑)
by T-Bone (2012-06-23 23:54) 

1275GT

contaさん

フル充電でも100数十キロと言うのは辛いですね。
北海道では隣町まで100キロなんてザラですからね。
それにもし“電欠”で止まってしまっても、なにも出来ません。

急速充電ができたとしても80%の容量に復活するのに、
30分くらいはかかるそうです。
ガソリンを入れるのとはわけが違いますからね。
by 1275GT (2012-06-24 22:48) 

1275GT

ねこざかなさん

リーフが重さ(約1.5t)の割に加速がいいのは、
初速からトルクがフルに出せるモーターの強みでしょうね。

川田男爵はあの「男爵いも」の名付け親ですが、
とにかく新しいモノ好きで、なんにでも興味を示すひとだったようです。
ものすごい量のコレクション展示でしたが、
良く散逸せずに保存されていたと思いますね。
by 1275GT (2012-06-25 00:08) 

1275GT

T-Bone さん

次第にバッテリーが弱って、セルが回らなくなる・・・あの感じ(笑)
バッテリーはもちろん、オルタネーターの性能もよくなかった、
昔のクルマではごく普通にあるトラブルでしたね。

トランクの中にブースターケーブルを忍ばせておく・・・
なんていっても、使い方も知らない人もいるんでしょうね。
増してや“押しがけ”なんて・・・(笑)


by 1275GT (2012-06-25 00:21) 

ベアトラック

北海道紀行もリーフ試乗も、楽しく興味深く拝見しました。
やはり、厳冬期の新潟県でも、オール電化車はむずかしそうですね。
by ベアトラック (2012-06-25 13:22) 

1275GT

ベアトラックさん

新しい技術に“生みの苦しみ”があるのはもちろんですが、
どこがどうダメなのかをしっかりと見てみたくて乗ってみました。
自分のような年寄りには、なんでも飛びついて見ないことには・・・(笑)

今回訪れた川田男爵の資料館も面白かったですよ。
明治時代のアメリカやヨーロッパから、色々なモノを持って帰ってきた、
その新しいモノに対する好奇心には恐れ入りました。
by 1275GT (2012-06-25 23:42) 

三代目

こんにちは~

電気自動車で市内近辺をウロウロするだけで充電に心配するってことは、普通に北海道を乗るにはまだまだってとこでしょうか?それよりも電気だと冬が心配になります、-30℃だとどうなのかと・・・

トラピストの方は、一番最初に新車で買ったインジェクションので行きました、その並木道が懐かしいですw
函館って道内なんですが、なかなか行かないものです、良い写真をありがとうございました。
by 三代目 (2012-06-29 06:22) 

1275GT

三代目さん

急速充電器はまだまだ普及に時間がかかりそうですね。
基本、日産のディーラーにはあるそうなのですが、
休日、営業時間外は使えません。

家庭用の充電器では80%に達するのに8時間ほどかかるそうなので、
海を見に行く時は、電気をくれて、泊めてくれて、
出来れば食事を出してくれて、あっ、それに“飲み物”も・・・
まず友達を作るところから・・・でしょうか(笑)

前回は海沿いに恵山の方へ行ったので、今回は逆の方へ・・・
クリスチャンではありませんが、こういう場所は身が引き締まりますね。
いつもいやらしいことや、ずるいことばかり考えて生きているもので・・・(笑)
by 1275GT (2012-06-29 13:06) 

1275GT

komakuraさん

いつもnice!有難うございます。
by 1275GT (2012-07-07 20:21) 

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