マニアックな子供(バキュームカーに魅せられて) [minicar]
東京とはいえ、まだ緑豊かな田園が広がるハイソな街で育ったワタクシは、
いずれ後に環七になる空き地で、毎日草野球に興じるフツーの小学生でした。
我が家は、このハイソな街に似合う広い庭のある公営住宅というか、まぁ長屋でしたが(笑)
でも庭は一面の芝生と、季節の花が咲く花壇があり、そうそう小さな池もありました。
この団地に住む多くのひとは、高度成長が豊かな暮らしをもたらすと夢見た時代でした。
で、毎日下校時の楽しみは狭い通路に決まって止まっているこのステキなクルマでした(笑)
真空ポンプを作動する豪快なエンジン音と共に、煙突のような空気抜きのパイプから、
得も言われぬ香りを漂わせ、まるで蛇のようにのたうちまわるホースや、
作業終了時にオジサンがホースの先に白い軟球で“フタ”をするのをじっと見ていたのです。
じーっと・・・(笑)
冒頭の写真のように、雑誌やネットでも取り上げられるこの大分くたびれたマツダT2000は、
あれから半世紀以上経つというのに、同じカタチでいまだになんと現役なのです!
“同好の士”にはちょっとは名の知れた有名な三輪衛生車です。
こんな路地に入りこめるのが、この三輪の最大の存在理由なのですね。
でもタンクの上にホースの巻き取り機が載っているのは、時代的にまだ新しいです。
しかし、ワタシがときめいたバキュームカーにはそんな装置はありません。
少し移動するときは長いホースを引きずったまま、砂利道を砂埃を上げて進みます。
満タンになるとオジサン達がこのクリッパーのようにタンクの上に巻いて収納するのです。
と、そこまでじーっと見ていたのです、マニアックな話でしょ(笑)
ミニカーは2車種ともトミカリミテッドヴィンテージですが、嬉しいコダワリの作りです。
T2000は実車を丁寧に再現してありますね。
ぜひ1/43スケールを・・・目が辛くて楽しめません(笑)
もう少し当時のことを知りたくなって当コレクションの資料室より、
古いモーターショーのガイドブックを探しだしました。
小学3年生の時始めて行った、晴海の東京国際見本市会場で買って貰ったのが始めで、
記念のガイドブックは、毎日見ていたらついにボロボロになってしまい、
手元に残っていないのが残念です。
所々抜けてしまっているのは、ひとりで行くようになってからです。
何故かというと、お小遣いが足りなくて入場料と電車賃しかなかった時だったのですね(笑)
小4の時に帰り道が暗くなり迷子になって、大騒ぎになったことなんかもありました。
その頃はハイソな集合住宅に引っ越しても、
暮らし向きはビンボーのままと言うのは良くあることでした(笑)
オート三輪もまだ数多く走っていました。
しかし、当時はただ古い時代遅れのモノに見えていましたね。
マツダのT2000はこれですが、まだホースのリールはありませんね。
オリジナルはこれほど美しいのです・・・(病気でしょうか?)
同じマツダでもK360(ケサブロー)の派生車種T600のバキュームカーは珍しいです。
この個体はもう現役ではありませんが、とても大事にされているようですね。
元オーナーはこれで奥さんとドライブしたと言いますから、
いかに乗りやすくて、とても気に入っていたかというのがわかりますね。
ガイドブックにも載っていましたからそれなりの生産量だったんでしょうが、
いったい何台作られたんでしょうかね?
これを見て「わぁ、カワイイ、これでドライブしようよ!」なんていう娘がいたら、
それはそれで・・・(爆)
おなじみトミカのトヨタダイナですね。
「はたらくクルマ」としての玩車としては、バーチャルな存在なんでしょうが、
今の子たちにはどういうクルマに見えているのかなぁ・・・
ベース車のバリはとても豊富で、初めて見た車種だった時はとても感激したことは覚えています(笑)
特に珍しいボンネットトラックのバキュームカーに出会った日は、
そのカッコよさにしばし立ちつくしておりました・・・
写真がありませんでしたがトヨペットマスター顔したやつがよかったなぁ(知らないよね)
これは旧いエルフですが、残念なトミカとなっています。
ちょっと頑張ればミントも手が届くのですが、この廃車体風も捨てがたい・・・と。
エーダイのグリップゼッケンにもこんなのがあります。
三菱ふそうT652でしょうか?すっきりした出来ですが、東京都カラーばかりですね。
じゃ、もう東京にバキュームカーは無いのかって?
なんだか興味がわいてきたアナタ、安心してくださいまだしっかり残っています。
大きなビルやホテル等は地下に大きなタンクがあり、
浄化装置によって下水に流されるものもありますが、
タンクの中に残った汚泥は処理しなくてはなりません。
そこで、大型のバキュームカーが年に数回、処理に向かう必要があるのですね。
ダイヤペットのいすゞフォワードでしょうか?
後輪が2軸になっていますが・・・特装車でもこの仕様は無かったと思います。
都市部のビルやマンションの地下タンクのメンテナンスには大型車が必要なんですね。
昔から4tクラスのシャシーを使ったのはあったようですが、
中継施設から最終処分場まではもっと大きなタンクローリーのようなクルマが使われています。
大規模な下水処理施設が出来るまでは、海洋投棄が一般的でした。
さぁだんだん興味が湧いてきたアナタ・・・よりマニアックな情報が欲しい・・・
それでは、バキュームカー・マニア(いるのか?)にはバイブルと言われている、
村野まさよし著「バキュームカーはえらかった!」を読めば、すべての迷いは解決します(笑)
さて、ビートルズレコーディング50周年と言うことで、
浮かれた頭の中を「ラブ・ミー・ドゥ」なんかが流れる中で、いきなり糞尿ネタとは・・・
最近、体調のせいなのか、歳のせいなのか、なかなか考えがまとまらず筆が進みません。
自分の残念な人生をカミングアウトするのも飽きちゃったし、
でも、なんだかスッキリした気持ちになったのはなぜ・・・(爆)
2012-11-07 22:44
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コメント(9)
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臭いモノに蓋をしないで取り上げる気概に敬意を表して、勉強になりました。首都圏で未だ現役ってすごいなあ。。。
by komakura (2012-11-08 02:10)
たかがバキューム・カー、されどバキューム・カーと言ったところでしょうか、なかなか奥が深いのでビックリいたしました。ちなみに小生の小さい頃は柄杓に桶でしたが。
by conta (2012-11-08 09:05)
komakuraさん
臭いモノって・・・ホンモノですから(笑)
ここから、日本の食文化や環境問題まであらゆる事が学べます。
本当は、読んでためになるブログを目指してるんです(嘘)
基本的に“はたらくクルマ”はカッコいいですね(笑)
by 1275GT (2012-11-08 21:28)
contaさん
フェラーリやポルシェよりも、よっぽどいい仕事しますよ(笑)
最近、バキュームカーの精密なミニカーがでてきて、
マニアとしてはうれしい限りです(笑)
う~ん、柄杓に桶ですか・・・深そうです。
確か桶は二斗樽でしたよね(笑)
by 1275GT (2012-11-08 21:48)
主治医のお店がコレもんでしたが
お客さんが怖がるとの理由で(笑)
開店時に水洗トイレに変更しました
都内でもところにより今でも見かけます
清掃車の様な頻度では来ませんから
レアですけどね~
今度写真とビニール袋に空気でも
採集しておきましょうか?(爆)
by ちんたん♪ (2012-11-09 00:11)
ちんたん♪さん
Bネタから香ばしいネタまで、柔軟な対応恐れ入ります(笑)
都内で見かけるのは本当にまれですね。
まだ山間部や地形的に下水道の敷設が困難な所に、
これらのスーパーカーはまだ生存しています(笑)
貴重なサンプル、ぜひ採集をお願いします。
カネは用意します。
by 1275GT (2012-11-09 08:28)
下水道が完備していない地方では、まだまだバキュームカーは現役ですが、この頃はタンクむき出しじゃなく、布の箱で覆っていたりします。
みんな、お世話になってるものなのにねぇ・・・
新旧のバキュームカーのミニカー、御紹介ありがとうございました。霊柩車や清掃車は、海外のミニカーでもあるけど、バキュームカーはなかったような。実車がまったく存在しないわけはないと思うのだけど(悩)
by ねこざかな (2012-11-12 00:18)
ねこざかなさん
布の箱ですか・・・東日本に住む人はアレを連想しちゃいますね。
まさしく、臭いものには蓋と言うことでしょうな。
きっかけは某雑誌で知った1冊の本からですが、
トミカリミテッドの出来のよさにも後押しされました。
T2000の方は別パーツでバケツが付いてきます(笑)
多分海外でもあるのでしょうが、ミニカーがないのは謎ですね。
ねこざかなさんなら大丈夫です(って何が?)ぜひ探してください(笑)
by 1275GT (2012-11-12 12:40)
湘南ライナー9号 さん
nice!有難うございます。
「鉄」方面の方、お待ちしておりました(笑)
by 1275GT (2012-11-14 19:08)