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フランク・コスティン続記 [minicar]

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こんな時もあるんだ・・・と、思わずつぶやいてしまいそうな我が人生の黄昏ですが・・・(笑)
公私ともに問題山積みで、更新もなかなか思うに任せません・・・と。

さてさて、フランク・コスティンは“マーコスについて”でも書きましたが、
その時、ちょっと触れたこの’68 コスティン・ネイサンのミニカーがやっと出たので、
あれからちょっとハマッちまったマーチ711のことも織り交ぜて一席お付き合いのほどを・・・(笑)

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ミニカーはエブロ製ですが、レアな車種をなかなかしっかり作っています。

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当時ヒルマン・インプでツーリングカーレースを走っていたロジャー・ネイサンが、
インプのエンジンを使ったオープンスポーツを作りたいとコスティンに協力を求めたのが、
この魅力的なマシンの始まりです。

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得意の木製モノコック(ベニア板!)で軽量化を図ったこのマシンは約430kgしかなかったそうです!
もちろん998ccから77HPを絞り出していたとはいえ、
小排気量の非力なインプのエンジンで戦うためには“軽さ”は重要な武器です。

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さらに戦闘力アップを目指して、
空力的に優れたクローズドボディに進化したコスティン・ネイサンは、
風洞実験のデータに頼らない(頼れない?)コスティンらしさにあふれた、
とても魅力的な“カタチ”ですね。

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で、ロジャー・ネイサンはこのマシンでルマン24hに討って出ます。
で、結果は・・・。

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ここに、ルマン24h1923~1973年のリザルトと1949~1973年の貴重な写真が載った、
分厚い写真集があります。
残念なことに洋書なので、写真のキャプションくらいしか理解できていませんが(笑)

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これによると’67年はツインカムヘッド、機械式インジェクションを装備して、
わずか1000ccから125HPものパワーを得ていたマシンで出ていましたが、
残念ながら4時間目で電気系のトラブルでリタイアとなっています。

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ルマン仕様はスパーク製ですが、御覧の通りエブロとは微妙に細かいところが違います。
実は同じ金型だと言われていますが、だとすると手が込んでいますねぇ(笑)
最近の他の車種にも同じようなバリの展開をしているのがありますが、
本当の所はどうなんでしょうか?
さらに、どうやらミニチャンプスも同じ工場製のようです。
このあたりが、最近エブロも含め新製品が軒並み遅れている原因かも・・・。

閑話休題。
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これ以前にも、ルマンのエントリーリストにはコスティンの手掛けたマシンが何台かあります。
’57年にはコスティン・マセラティ・クーペがスターリング・モスのドライブで出走しています。
リアアクスルのトラブルで完走はなりませんでしたが、
ボンネットからルーフのライン等、コスティンらしさがよく出ていますね。

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それにしてもこのフロントマスクがミラーに大きく迫ってきたら怖そうですね(笑)

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‘59年にはロータス・エリートが僅か1216ccのコヴェントリークライマックスで、
総合10位に入る健闘をしています。
ドライバーがジム・クラークとウイットモアと言うのも凄いですが・・・

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ついでに、‘63年の日本GPで異次元の走りを見せたこのロータス23Bですが、
リアタイヤが半分覆われたサイドラインなども、どう見てもコスティンのデザインですよね。
正式にコスティンの名前が出てこないのは不思議です。

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’70年代にフランク・コスティンのデザインしたF1がこれです。
マニアの期待を裏切らない、個性的ないでたちですねぇ(笑)
前年のモデルで好成績を収めたマーチ・エンジニアリングが、
さらなる躍進を企てて送り出したニューマシンです。

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丸みを帯びたフロントカウルの上に“乗った”ようなウィングが特徴的ですね。
その形状から、ティー・テーブルなんて言われていたようですが(笑)
最近のF1の複雑怪奇なフロント形状から見ると実にシンプル、
空気の力をこれひとつでコントロールする発想だったんでしょうね。

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ポリトイの1/25スケールは今見ると大雑把ですが、ディフォルメの感じが上手いですね(笑)
発泡スチロールの台座に上の画像の箱と、プラケースのバリがありますが、
プラケースは材質のせいでタイヤと仲良くなっちゃう欠点が・・・

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カルッツォの1/43スケール4台、ブルーのヘルメットにイエローのバイザーと言えば、
サイドウェイロニーことロニー・ピーターソンですね。
このヒトの4輪ドリフトは凄かった、だってF1ですからねぇ。
FISCOの100RでティレルP34でドリッてるロニー(’77日本GP)を見ましたが、
6輪でも全く同じスタイルのドライビングでした(笑)

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高速コースとして名高いモンツァでは、フロントウイングを外して挑みましたが、
ロニーの腕をもってしても良い結果は出せませんでしたね。
コンピュータ制御の助けを借りないで、ドライバーが“テクニックで走らせる時代”のF1ですね。

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26番の赤いヘルメットはニキ・ラウダ、このマシンはアルファのV8、3ℓのエンジンです。
同じV8エンジンとはいえ細かいところもちゃんと作り替えてありますね。

パワーが足りなかったのか、シーズン後半はコスワースDFVに換装されてしまいます。
ちなみにコスワースは実弟のマイク・コスティンが興した会社なので、
兄弟ふたりの才能がF1の世界で共演したのですね。

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マーチ・エンジニアリングはレーシングカーのメーカーですから、
この711も、もちろんプライベートチームが買って走らせたのがあります。
従ってミニカーのバリはもっとあるようなので、これからも蒐集に励みたいと思います(笑)

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小スケールはこれしかもっていないのですが仏製のチャンピオンです。
平たい小さなプラケースに収まったこのシリーズは、
レアな車種が多くて結構楽しめます。

マーチ711は、コスティンのデザインのせいばかりではないのでしょうが、
ロニー・ピーターソン、ニキ・ラウダ等々そうそうたるドライバーが駆ったのも関わらず、
目立った成績を残せなかったため“失敗作”とも言われていますが、
あくまでも前向きなところがこのヒトの真骨頂ですからね。
やがて、レーシングカーに空気の流れを積極的に利用する、
ウイングカーの時代が来るのはもう少し待たなければなりません。

最後にコスティンが抜けた後も、木製モノコックで作り続けたミニマーコスが、
ルマン24hを走ったという写真を・・・
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’67年ルマン24h、スピンしたフェラーリの脇をすり抜けるミニマーコス。
完走して15位に入りました。
翌’68年も走ったのですが、残念ながらリタイアに終わっています。




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コメント 6

conta

ミニカーも随分とマニアックなものが出てきたんですね。 やはりそれだけ需要があるんでしょう。
それにしてもスゴイコレクションですね、感服します。
by conta (2013-03-25 08:05) 

1275GT

たぶんコレクターの年齢層にも関係ありそうですね。
若者のクルマ離れはかなり深刻です。
我が家の息子二人も移動する便利な道具・・・みたいに思っています(笑)

残ったクルマ好きのオジサンとヲタク向けに、
少々高価ですが精密なモデルが少数作られてます。
典型的なニッチマーケットですね(笑)
by 1275GT (2013-03-26 12:45) 

1275GT

ねこざかなさん

いつもnice!有難うございます。
なんとか生きていますが・・・
ここのところ、ちょっときつい日々です(笑)
by 1275GT (2013-03-31 21:50) 

komakura

マーコスのイメージは最後に掲載されたモノクロ写真の印象です。しかし。。。深いです。知らない英国車が盛り沢山(O_O)STPのマークが懐かしい〜
by komakura (2013-04-05 02:22) 

1275GT

ミニマーコスですね。
このクルマが世に出る頃には、
もうマーシュとコスティンは別の道を歩いていたんですよね。

もちろんその後も、二人とも別々に木製モノコックのスポーツカーを、
作り続けているのが興味深いですね。
by 1275GT (2013-04-06 20:44) 

1275GT

ベアトラックさん

いつもnice!有難うございます。
相変わらずお忙しそうで何よりです(笑)
たまに抜けるような青空の写真が見たいです・・・
by 1275GT (2013-04-13 12:40) 

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