忘れられたマシン (マツダの場合) [minicar]
生まれて初めて家のクルマとは別に、自分で買ったのはマツダのロータリークーペでした。
手元に残った古びた取説を見ると「ファミリアプレストロータリークーペGS」と言うのが、
正しい車名だったようです。
初めて乗るロータリーエンジンは、まるで2ストロークのように回って加速も滑らかでしたが、
低回転だとトルクが細くて、いつも“踏んで”いないと走りませんでした。
そして、恐ろしいほどガソリンを消費しました(笑)
このミニカーはダイヤペット(ヨネザワ)です。
当時のダイヤペットは開閉ギミックに固執するばかりに、
隙間だらけになったり、カタチが崩れたりしたのもありましたが、
これは、まぁまぁの出来だと思います(トランクにはスペアタイヤも入ってます)。
さて、またもやお見苦しい古写真ですが(笑)
このバンパーから飛び出しているフォグランプは、
レンズの中心が出ている、いわゆる「出べそのマーシャル」です。
向こう側には同じもののスポットランプも付いています。
もちろん、ワークスマシン風にしたかったんですね(笑)
ボンネットのアクリル製の虫よけも、似たようなものを探して付けました。
今のミニのように、ドレスアップパーツが山のように出ている時代ではなかったので、
街の「スピードショップ〇〇」なんていう店で情報を得ていましたね。
良く行く店は、違法改造(おもにシャコタン)でよくパクられていました(笑)
ミニカーはエブロです。
もうお忘れの方もいるでしょうが、国産車として唯一ルマンを制したのはマツダです。
あの快挙から20年目の今年、主催者の招待で、
ウィニングマシン787Bがサルテサーキットを走りました。
マツダはこの日のためにマシンを完全にOHして、
当時ゴールラインを先頭で切った、ジョニー・ハーバートに託しました。
もちろん手抜きなしのペースで3周を走り、大喝采を受けたそうです。
’91年の時のゴールは脱水症と体調不良で、ゴールした直後気を失い、
彼だけ表彰台に立てなかったのは有名な話です。
ミニカーは手前がビテス、奥がイクソです。
初めての4ローターのエンジン専用のマシン767ですね。
新しいエンジンはルマンではトラブルが出て活躍できなかったですが、
奥の787Bと比べるとラジエーターの位置が違うなど、まだ進化の途中ですね。
もちろん、栄光のマシン787Bに引き継がれた技術も多かったと思います。
改良型の767Bも作られましたが、個人の方が所有する個体もあります。
ミニカーはQモデル製。
自分でも長い前振りだと思いましたが、今日の話題は実はこれからです(爆)
実は’91年からはWSPCは3.5ℓ自然吸気のエンジンのみと決まっていたのですが、
メーカーの対応が追い付かず、’92年からに延期されたいきさつがあるのです。
そうです、マツダのルマン制覇は“運”も味方したのですね。
で、’92年はマツダも初めてロータリーエンジン以外のマシンを走らせました。
おなじみチャージカラーと、「鹿島建設」がスポンサードした、2台のMX-R01です。
チャージカラーはアルナージュ。
KAJIMAの白いのはスパーク。
こんなに短時間に、全くコンセプトの違うマシンを仕立てることは到底不可能で、
これはTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)との共同作で、
当時、TWRがWSPCを戦っていたジャガーXJR14を改造したものです。
手前がジャガーですが、細部を除いて同じマシンだとわかりますね。
エンジンはジャガーが使っていたコスワースHBではなく、
F1のエンジンなどで知れていたジャッドと協力して、
ジャッドGVをベースに、耐久レース用のパワーユニットMV10を作り上げました。
ジャッドもこの分野にマーケットを広げる必要があったので、渡りに船だったのでしょう。
しかし元があったとはいえ、僅か半年で完成させたマツダもチカラが入っていましたねぇ。
モデルはスパーク。
当時最先端のマシンだったので、カーボンモノコックの都合でしょうかドアがありません。
写真の“PULL OPEN”と書かれた窓を外して乗り降りするのです(笑)
TWRのチカラが大だとは思いますが、チャージカラーの5号車が4位に入ります。
日本人クルー2人も駆った6号車はリタイアしてしまいましたが、
ロータリー職人ともいえるドライバー達が、このマシンの出来を絶賛していたのが印象に残りますね。
5台作られて、実走できるものもありますがイベント貸出等のエンジン無しも含めて、
何台も残ってないでしょうね。
次はラリー界のレアマシン、RX7のグループBです。
当時のグループBはロードゴーイングモデルを200台生産すれば、
エボリューションモデルを20台作れるという規定でしたが、
マツダは競技用ベース車を作らずに量産車で認可を取り、
“スペシャル”なRX7を作る道を選びました。
モデルはスパークです。
13Bペリフェラルポートのエンジンを積んだRX7-GrBは、
SA22のスリークでコンパクトなボディと相まってとてもかっこいいです。
リヤスポイラーにオイルクーラーが移されていますね。
ポップアップライトを廃した6連のライトが良く再現されていて、
こちらは安価な小スケールですが、最近のは侮れない出来の良さですね。
モデルはCM’sの1/64です。
25番は’85年RACラリーのロッド・ミレン車(9位)。
9番は’85年のアクロポリスラリーで3位に入ったイングバー・カールソン車。
このまま開発が続けばもっと速くなる資質を持っていたけれど、
グループBはターボエンジンと4駆の時代に移り始めていました。
マツダも323(ファミリア)のターボ+4駆が活躍するようになり、
いつしかこのロータリーロケットは忘れられていきました。
ひそかに3ローター、4WDのRX7がテストされていたそうですが・・・
結局、RX7-GrBは8台作られたそうです。
走行可能な個体が英国にあるようですが、残りは失われてしまったのでしょうか?
このトミカダンディのRX7は、とてもプロポーションが良くお気に入りの1台です。
この明るいグリーンメタは発売時のイメージカラーですね。
カタログの表紙もこの色でした。
レーシングカーは量産車と違って、保存されることが少ないです。
ニューマシンの開発のテストに供されたり。
新技術の秘密保持のためにスクラップにされたり・・・
潰されたマシンの中には、思わず目を疑うような面白いのもあります。
それがたとえミニカーであっても、なんとか手元に置いておきたい気持ちになりますね(笑)
2011-07-24 18:44
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コメント(20)
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ロータリークーペ懐かしいですね。CG誌のテストかインプレ見たような記憶があります。
by conta (2011-07-24 23:26)
contaさん
長い駄文にお付き合いいただきありがとうございました(笑)
確かファミリアロータリークーペは、
CG誌では長期テストもやっていましたね。
インプレは、小林さんが書いておられました。
直線は速かったですよ、ホントに・・・(笑)
by 1275GT (2011-07-25 21:15)
プレストは日野皓正を起用したCMが強烈なインパクトありましたね。
初代ロータリークーペが忌まわしい事件で使われ、マツダはイメージ刷新に必死だったんでしょうか。
by T-Bone (2011-07-25 22:59)
当時は燃費が悪いと評判でしたねぇ(笑)
でも今となっては、ロータリーエンジンの経験が無いのが残念です。
by ロンツー (2011-07-25 23:06)
最後のセブンはなつかしい!カエルと呼んでました(笑)
実際街中にも多く走っていましたね。
やっぱりブンブン系エンジンがお好きなんですね(爆)
2サイクルのフロンテクーペは今でも大好きです♪
そして、ミニなら1071Sが興味深々・・・。
回る速い止まらないを経験したのは「3」でした。
by ちんたん♪ (2011-07-25 23:22)
すっかり忘れていましたが、学生時代にもらった車は13Bのルーチェでした。
重い、走らない、燃費が悪いと学生には酷な車でしたが、今思うとあれで坂道の半クラ停止とか覚えたんですよ。
最初のセブン、同級生のお父上が当時マツダにお勤めで、その子が「今度マツダからスーパーカーが出るんだよ」と言っていたのでどんな車かと期待していたんですが、ちんたん♪さん同様「カエルじゃん」って思いましたね~。…その子には言えなかったけどね(^^ゞ。
by たけさ (2011-07-26 01:42)
T-Bone さん
そういえば、そんなことがありましたっけね。
当時なんで高級車じゃなくてロータリ-クーペなんだろう?
って、不思議に思いましたね。
日野皓正のCM、覚えています。
あの頃のマツダはロータリーの未来に賭けていましたからね(笑)
by 1275GT (2011-07-26 20:42)
ロンツーさん
燃費も悪かったですが、オイルも食いましたねぇ。
まだ、アペックスシールの精度が悪かったのか、
2ストみたいに白煙を履きながら走っていました(笑)
まだFCやFDなんかは現役で走ってますよ。
マニア以外にはうけないようで、値段も手ごろです(笑)
by 1275GT (2011-07-26 20:57)
ちんたん♪さん
真似されたと言われていたP車に乗っていたころ、
よく間違われましたよ(笑)
ジウジアーロデザインと言われていたフロンテクーペは、
とてもかっこ良かったですねぇ。
あの2スト3気筒の音も好きでした。
全然走らないと言われている970Sに乗ってみたい(笑)
by 1275GT (2011-07-26 21:26)
たけささん
13Bのルーチェ、2ドアHTは迫力のあるデザインでしたねぇ。
大きく、重くなったためにスポーティさは損なわれましたが・・・
ロータリーエンジンのフルラインナップを目指していたマツダは、
マイクロバスやピックアップなんかにもRE仕様がありました(笑)
まだポップアップするライトが、
スーパーカーだけのものだった時代ですから、
「カエル」顔も、カニ目程愛嬌が無いのが残念でしたね。
by 1275GT (2011-07-26 21:49)
懐かしいですね。ロータリークーペやサバンナ、ルーチェ、1&2代目コスモ
ロード・ペーサー?この頃のマツダのデザインは好きでした。
RX-7が出てきたときは車高の低さに憧れました。
プラモは、あんまり出ていないか廃販ですが、先日、タミヤが再発しました。
by komakura (2011-07-27 02:01)
komakuraさん
初代ルーチェロータリークーペや、
RX-3のレーシングカーもカッコ良かったですねぇ。
どのメーカーも個性があってクルマ好きには、
とても楽しい良い時代でした。
タミヤのRX-7も、箱絵はたしかこのグリーンでしたよね。
by 1275GT (2011-07-27 08:00)
3ローター、4WDのRX7・・・どんなモンスターだったでしょうね!
バブル期のユーノスコスモの20B、ディーラーの人が、
吹かせばリッター3kmである!と豪語していました。
今となっては、なにもかも皆なつかしい・・・(遠い目)
by ねこざかな (2011-07-28 01:34)
ねこざかなさん
海外のメーカーは、どんな駄作でも失敗作でも、
とりあえずは潰さないで保管してあるんですねぇ。
その点、クルマ文化というものが“無い”日本では、
プロトも試作も、もちろんレースカーなんか一番に、
スクラップにしてしまいます。
唯一3ローターの生産車ユーノスコスモ・・・
実車は残っているんでしょうかねぇ?
by 1275GT (2011-07-28 22:25)
サンタフェの知り合いが、マツダのロータリーエンジンを絶賛していました。
いまだに、マツダの古くて小さなピックアップを作業用に乗っているそうです。
by ベアトラック (2011-07-30 23:04)
ベアトラックさん
燃費の問題が今ほど重要視されなかった頃、
RX-7なんか米国ではとても評価が高かったようです。
一時期、あらゆるメーカーが可能性を試したロータリーエンジンも、
結局、商品として実績を残したのはマツダだけですものね。
小型ピックアップは“ダッツン”を筆頭に、
日本車の独壇場でしたからねぇ。
by 1275GT (2011-07-31 08:44)
突然のお願いで失礼致します。
以前からビートルズが縁でこちらのブログに辿り着きました。
何故か趣味領域が近い1275GTさんのミニライフに憧れ、遂に先月ビートルズ全員が乗っていたミニ、さすがにビンテージは無理なので、mini1000cc(91年製)エンジンは1300cc?/MK-1仕様の購入に至りました。しかし、学生時代からのバンド仲間(実はPaulを愛して止まないベーシストです)とは妻もビートルズ好きで同調してくれるのですが、ミニにおいては家族の理解があまり得られず(見た目、乗り心地、メカノイズ他諸問題)淋しい週末を過ごしております。私も埼玉在住(さいたま市)なのですが、ツーリング等の同行会に一度参加させて頂けないでしょうか。
■このコメント公開せずに上記メールアドレスにご連絡頂けませんでしょうか。厚かましいお願いですが何卒よろしくお願い致します。
by スタンダード (2011-08-02 00:50)
スタンダードさん
はじめまして、よろしくお願いいたします。
同好の士、大歓迎ですよ。
たまにネタにしているミニのクラブのことでしょうか?
メンバーは、皆還暦の“頑固な年寄り”の集まりですが、
それでもよろしければ皆歓迎いたします。
ただ、このコメントはワタクシが認証しなくても、
すべて公開されてしまいますので、
くれぐれも個人情報などお書きにならないでくださいね。
今度、ミーティング等がある時には、
ブログ内で「業務連絡」致しますね(笑)
by 1275GT (2011-08-02 21:29)
早速のご返信有難うございます。
頑固でマニアックなクラブに是非、是非とも!伺わせて下さい。
また、個人情報の滲み出た(笑)メールで大変失礼しましたm(_)m。
ビートルズ、楽器ネタ含めて宜しくご伝授の程よろしくお願い致します。
(購入して間もないので、ご迷惑でなければ早朝のショートツーリング?
休日であればご同行したい気が、、、)
by スタンダード (2011-08-03 07:08)
スタンダードさん
それはそれは楽しみですね(笑)
“ミニはひとを呼ぶ”で、ずい分多くの友人知人が出来ました。
これからもよろしくお願いいたします。
夜明けのミニ散歩?は、たまたま早朝に目が覚めてしまった時に、
フラッと出かける密やかな楽しみです(笑)
前もって予定が立てられないので・・・
でも、一人よりは楽しそうなので、いずれお誘いしますね。
by 1275GT (2011-08-04 08:30)