ミニより小さなクルマたち [minicar]
政権が変わったからと言って、夢のような未来が来るとは思わないけれど、
ひとつ気になることがあります・・・
例の温室効果ガスの削減目標というやつです。
2020年までに1990年比25%の削減を目指すとなると、
もうマフラーからケムの出るような古いクルマは走れないでしょうね。
まぁ、インフラも含めて、次世代車がどれほど普及するかに懸かっていますが・・・
でもそうなると、10年もしないうちにミニには乗れなくなってしまうのでしょうか?
まだ“戦後”と呼ばれていた時代、
疲弊していた経済の中で、何とかクルマを作りたいという、
先人の知恵の結晶ともいうべき小さなクルマ達がありました。
ガソリンで動く小さなエンジンの、ケムに夢を見ていた時代の話です。
排気ガスの匂いさえ芳しかった、そんな頃の・・・
ハノマーグと言えば軍用車両が有名ですが、最初の自動車がこのコミスブロートです。
1924年というから“戦前”、いやもっとずっと前の時代です。
自分の力でどこへでも行ける・・・クルマは夢の乗り物でした。
走るための最小限の装備ですが、当時こんな小さいクルマは画期的だったんでしょうね。
リアのエンジンフードをあけると、500cc単気筒のかわいいエンジンが見えます。
RWモデル製。
ハインケルはドイツの飛行機のメーカーでした。
戦後の復興策として3輪の安価なクルマを作り始めるのですが、
同じバイクのエンジンを使った、イタリアのイセッタに酷似しています。
まぁ、細部はともかく、デザインはパクッたと言われてもしょうがありませんね(笑)
コーギーらしい味のある、好きな1台です。
で、こちらがイセッタですね。
ライセンス生産されたBMWイセッタですが、
4サイクルエンジンの性能の良さと相まって、こちらのほうが評価が高いですね。
このモデルはスポットオンとガマです。
よく見ると、トレッドは狭いですがれっきとした4輪車です(笑)
バイクのエンジンと言えば、モーガンのスリーホイーラーでしょう(笑)
手軽にスポーツドライビングを楽しむ、まさに原点ですねぇ。
彼の宮崎駿監督も乗っているという、英国の名車です。
チェーンがWになっているんですね。
モデルはブルムです。
バイクのエンジンと言えば、クーパーノートンでしょう(笑)
彼のジョンクーパーが作った、入門用フォーミュラマシンですね。
ホンダコレクションホール所蔵のクーパーノートンと、小さな走行会でご一緒したことがありますが、
レーシングカーらしからぬのどかな排気音が印象的でした。
テクノの古いモデルです、箱絵もいいですねぇ。
まだまだある、バイク(スクーター)のエンジン(笑)
メッサーシュミットもドイツの航空機メーカーでしたね。
まんま戦闘機のコクピットのようなドライバーズシートです。
グリーンのKR200(三輪)はビテス、黒のタイガー500(4輪)はガマです。
チンクのご先祖、トッポリーノです。
スモールカーはフィアット、という伝説の始まりのモデルですね。
僅か600ccながら4気筒という、バイクではないちゃんとした“自動車”のエンジンでした(笑)
モデルはノレブのシムカ5という、珍しいフランス版です。
言わずと知れたフィアット500。
愛らしいフォルムはミニと共通するものがありますね。
モデルはビテスのアバルト、ミニジオラマ付きです。
これもビテスですが、ベスパに乗ったオネーサンが付いたセットです。
これピザ屋さんなんですが・・・?(笑)
もうひとつフィアット、これは600ベースのビーチカー“ジョリィ”です。
水着のオネーサンも同乗してます(笑)
顔がカントリーマンのサーファー兄ちゃんとよく似てるので、たぶん兄妹と思われます(笑)
これは、コーギーの“力作”、後ろのノーマルはブルムです。
O.S.Iというイタリアのメーカーが作ったシティコミューターです。
パワーユニットはフィアット製ですが、エンジンはフロントにあります。
マスクが何となく127にも似てますね。
今見てもコンパクトで実用的なデザインです。
で、このモデルのすごいところはこのギミックです。
開くところは全部開きます(笑)
ウィズホイールとは思えない作りこみですね。
このころのコーギーは、こういうレアなモデルも良く作っていましたね。
ちょっと変わったスポーティーな三輪車、ボンドバグですね。
これのコーナーリングはどうなんだろうなぁ(笑)
しかし、これはカッコイイな。
でもやっぱりひっくり返りそうだなぁ(笑)
これもコーギーです。
覚えてますか、ミスター・ビーンの名わき役、三輪のリライアント・ロビンです。
なんの前触れもなく、コロンとコケちゃうのが笑えますが、
あれはわざとそういう風にセッティングされているそうで、
実際は安定しているそうです・・・以外にも(笑)
バンガードのパネルバンですね。
で、一応ミスター・ビーンはミニに乗っていますが・・・
ローワン・アトキンソン自身は有名なカーマニアでコレクターでもあります。
ミニはコーギー製。
このスタイリッシュなクーペは、NSUスポーツプリンツです。
排気量は僅か600ccながらとても魅力的ですね。
このスパイダー版に、世界で初めての市販ロータリーエンジンが積まれました。
マツダはNSUに特許の使用料を払って、REエンジンを開発したのですが、
多くの夢を与えてくれた画期的なエンジンは、採算的にはどうだったのでしょうか?
今見ても古さを感じさせないくらいキュートな車ですね。
このモデルもコーギー製。
当時の西独製、ロイドです。
日本と同じ敗戦国だった西独のモータリゼイションは、
こんな小さな2サイクルエンジンのクルマがスタートでした。
モデルはシュコーです。
東独のトラバントにも通じる設計思想ですね。
VWビートル(kdf)が普及するのは、もう少し豊かな時代を待たなければなりません。
スズキが初めて4輪車を作るときに、このクルマを参考にしたそうです。
Wikipediaより
で、これがそのスズライトですね。
最近は大きく立派になった軽自動車も、
最初は僅か360ccの“ガマン”のクルマでした(笑)
それでもホンダのN360(エヌサン)のような、画期的なデザインのものや、
ダイヤペットとモデルペット。
スズキのフロンテクーペのようなミニマムスポーツもありました。
フロンテクーペはダイヤペット100、
コークボトルフロンテはダイヤペット。
高度成長によって、自家用車に夢を見る人たちのために、
“国民車構想”という国の試案に手を挙げたのがトヨタでした。
一般公募で決まった名前が、パブリック・カー→パブリカでしたね。
搭載されたエンジンは、空冷2気筒700cc、後に800ccとなって、
長いこと作られ続けた傑作でしたね。
エンジンだけでいえば、大型バスの冷房用補助エンジンや、
冷凍車の動力源としても生きながらえました。
700はモデルペット、800はダイヤペット。
こんな魅力的な派生車種もありました。
トヨタスポーツ800、通称ヨタハチですね。
補機類のない空冷エンジンと軽い車重のバランスの良さで、
モータースポーツでも活躍しました。
モデルペットの赤と、Newconの浮谷東次郎モデルです。
と、僅か200ccから800ccの小さなクルマのミニカーを集めてみましたが、
どれも個性的、独創的で夢に溢れたクルマばかりですね。
限られた状況の中、コストを優先して試行錯誤の末に生み出されたものが、
今の時代、とても新鮮で魅力的に映るのは、なんとも皮肉なことですねぇ。
ハイブリッドからEVへ進むであろう次世代のクルマたち・・・
クルマにとって、こんな大きな変化の時代に、偶然居合わせてしまった自分・・・
機械と会話しながら走るような、ミニとの早朝散歩。
はたしてこの先、クルマにこんなに愛おしい気持を持つことはあるのでしょうか?
2009-11-11 21:49
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コメント(12)
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いよいよあのショートストーリーの様に
エンジンをかけただけで国際警察だかに
逮捕されてしまう時代が来るのでしょうか?
それにしてもこれだけ矢継早にコレクション
写真を連発されるとコメントが出来ませんね
これ、5回位に分けたほうがよろしいのでは?
なるほど!覚えておこう!が多すぎて
終ってみると何も記憶に残ってません(笑)
感想は・・・
フロンテクーペいいな~、やっぱ持ってるんだ~
です(爆)
by ちんたん♪ (2009-11-11 23:52)
何度目かの、絶句&脱帽!!(笑)
>O.S.Iというイタリアのメーカーが作ったシティコミューター
素晴らしい作りですね。
by ベアトラック (2009-11-12 10:16)
ちんたん♪さん
もうすぐハイオクガソリンを闇で買う時代が来ますよ(笑)
命ある限り、ミニと過ごしたい・・・と、思っても、
持っているだけで、禁止税に近い重税が課せられるんだろうなぁ。
もう脳内メモリーの耐用年数が迫っています。
どんどん書き残して行かないと間に合わないかも・・・(笑)
フロンテクーペ、いいですねぇ。
今でも乗ってみたいクルマのひとつです。
あっ、まずい!2ストのケムリが見つかったぞ!(笑)
by 1275GT (2009-11-12 21:31)
自分の家には車がなく、近所の同級生の家にパブリカがありました。
そのフロントのデザインが好きで、いつか乗ってみたいな~と。
唯一叔父が車に乗ってましたが、最初はダンプ、その後はタクシーとどうも乗用車というイメージとは違いました。
でも、ガソリンの匂いが好きで、子どもの頃から旧碓井峠で車酔いすることもなく、道を覚えようとずっと起きてるような子どもでした。
ミニに辿り着いたのもそうなのかもしれませんが、昔から小さい車?が好きで、同級生のスバル1000や最初のシビックに憧れたりしたものでした。
ホンダのN360とかも大好きですね~
自分の体格には、ミニも決して十分なスペースを与えてはくれませんが、車を運転するという喜びは、今の車とは比較にならないほどです。
しかし、希有なしかもきれいなモデルですね~
ぜひ、今度実物を拝ませてください。
by JUN (2009-11-12 23:35)
子猫の頃、排気ガスの吸うと頭がよくなると信じてたので、今ではこんな立派なドラ猫になりました~って、一体いつの生まれやねん(爆)
今回はいつにもまして、労作、傑作、快作ですね!小さなクルマたち、ミニカーにすると愛らしさもひとしおですね。
メッサーのタイガー、わたしはビテスで持っています。バブルカーなのに本気出しちゃってるところが、格好よく思えて萌えるクルマです。
by ねこざかな (2009-11-13 02:29)
ベアトラックさん
長々と読んでいただき恐縮です(笑)
O.S.Iのこのモデル、実車はコンセプトカーで、
生産されることはありませんでしたが、
現在のクルマに通じるアイデアが満載です。
このまま“軽”の新車でも売れそうですね(笑)
by 1275GT (2009-11-13 07:49)
JUNさん
JUNさんの“最初”はパブリカでしたか(笑)
自分は父親が勤めていた会社にあった、ホープスターの三輪車です。
これが、ホープスターの4輪になり、ダイハツのハイゼットになり・・・
あっ、全部軽トラですね(笑)
もちろん、乗用車に対するあこがれはありましたが、
周りに持っているひとは誰もいませんでしたね。
休日は軽トラのホロ付き荷台が指定席でした。
もちろん、当時でも違法でしたから、
交番の前を通る時だけ伏せていましたが・・・(笑)
思いっきりガソリン臭かったのを覚えています。
なぜ酔わなかったのか、自分でも不思議ですね。
by 1275GT (2009-11-13 08:08)
ねこざかなさん
さすがに匂いでは無理ですが、音で車種はわかりましたよ(笑)
国道の傍でクルマばかり見続けていた、変な子供でしたから。
今回はミニカーの好きな“大きなお友達”向けのネタです(笑)
相変わらず、遠い記憶をたどりながら書いていましたので、
だいぶ手間取りましたねぇ・・・(歳か?)
この中ではボンド・バグに萌えますね。
いつどこで買ったのかも忘れてしまいましたが、
このミニカーはずっとケースに飾ってあります。
実車、日本にもあるんですよねぇ(レストア中?)
見てみたいです。
by 1275GT (2009-11-13 08:33)
ロンツーです。
やはりネタが出た時には凄い事になりますねぇ〜
ツボな車・モデルばかりです!!
イセッタやメッサー・シュミットはキラルのモデルを持ってましたが・・・
最近HWばかりでしたが。。。
また、ヴィンテージ・ミニカーを引っぱり出したくなりました。
by merci (2009-11-13 23:09)
ロンツーさん
今回も難産で、ひと月ほどかかりました(笑)
ご覧のように新旧織り交ぜて、数で勝負しています。
所々、肝心なモデルが抜けているのは、
長い間に何回も気が変わった証拠ですね(笑)
ヴィンテージ・ミニカー、是非見せてください。
楽しみに待っていますよ。
by 1275GT (2009-11-14 07:56)
どうも私は時代遅れになりつつあるのを感じています。
最近のメーカーの生産車にはあまり興味がわかないです。
燃費がいとか、環境にやさしいとかの性能より外観重視です。
この記事の車たちはみんな個性的で魅力的です。
by いっぷく (2009-11-15 17:42)
いっぷくさん
相変わらず、クルマの歴史なんか興味もなければ、価値もない、
と、思っているこの国では、古いクルマは単なる厄介者です。
エコ・カーも大量に生産されれば、新たな問題も出てくるでしょう。
自分もそうです、楽しくないクルマには興味もありません。
しかし、速足で楽しまないと・・・(笑)
by 1275GT (2009-11-16 07:44)