ミニカーを眺めながら (思い出のアウディ君) [minicar]
このやたら羽根の生えたアウディは、スポーツクワトロS1のパイクスピーク仕様です。
アメリカはコロラド、ロッキー山脈の標高2800メートルからスタートして、
ゴール地点の4300メートルまで、標高差1440メートルを10分そこそこで駆け登る、
世界一のヒルクライムです。
まぁ、峠を攻める人の“聖地”みたいなもんですね(笑)
この盛大な空力パーツは空気が薄くなる頂上付近のためなんです。
もちろん気圧の変化等、エンジンパワーなんかにも影響はあるんでしょうね。
ミニチャンプス製ですがアウディ特注品とあって、足回りも付いています。
不思議なカタチでボディサイドに伸びているのはマフラーですね。
’35アウトウニオンタイプAのレコードカーです。
戦後、メルセデスの工場は西側にあったおかげで、数々の貴重なモデルが保存されましたが、
アウトウニオンは東ドイツに工場があったので、
当時のソビエトにエンジン等を技術資料として接収されてしまい、
残念なことに、貴重なレースカー等は解体されてしまい残っていません。
中にはフレームが切断された状態で荷車として使われていたものもありました。
戦前の’30年代終わりごろ、アウトウニオンとメルセデスはたがいに速度記録を競うようになり、
やがて、それは過剰な競争となり430㎞を目前にアウトウニオンの有望なドライバー、
ローゼマイヤーの事故死という悲惨な結果を招きます。
このモデルはブルーム製です。
戦後大分経ってから、苦難の末にバラバラの状態で何台かの貴重なモデルが発掘され、
最近ではそれをベースに復元されたものもあります。
これもブルーム製。
もともとアウディはアウトウニオン、DKW、ホルヒと4社が合併してできた会社で、
エンブレムの四つの輪はそんな意味があるんですよね。
このユニークなフロントマスクが愛らしいDKWジュニアDXは、
アウトウニオンがDKWブランドで’60年代初めに作っていた2ストロークエンジンのセダンです。
’63年第1回日本GPで、日野コンテッサを相手に活躍したのを、
昨日のことのように覚えて・・・いないだろうなぁ(笑)
今のアウディのイメージと違って1000ccの地味なセダンですが、
それでも走らせれば当時の国産車より走りに勝っていた、というのが面白いですね。
何となく現在のアウディの、国内におけるポジションと同じなんですね(笑)
このモデルはデンマークのテクノ製ですが、がっちりした作りがとても好きです。
DKWはこんな愛らしいクーペも作っていました、’57DKWモンツァです。
980ccの小さな2ストローク3気筒のエンジンの2シーターで、ボディはFRP製です
こういうカタチは好きですねぇ(笑)
モデルはスターラインモデルズ製。
さらに車名を聞かなければ、クルマ好きのヒトにも何だかわからないような、DKW F-102です。
さすがに長い歴史の2ストロークエンジンも、当時一般的になりつつあった4ストロークに変えられます。
車名もアウディF-103となり、最後のDKW、そして最後の2ストになってしまうのです。
この後、ご存知のようにアウディはVWグループの一員になります。
このモデルはGAMA製です。
一気に新しくなって、'92年のDTMマシンV8クワトロです。
他のメーカーに比べてふたまわりも大きなボディを、4ℓV8のパワーとクワトロシステムを駆使して、
2年連続チャンピオンに輝きました。
前後のスポイラー等空力に進化がみられる、’90年と’91年の比較です。
モデルはすべてミニチャンプス製ですが、
手前の’90年DTM仕様が、ミニチャンプスのモデルカー第一号とは知りませんでした。
これはBTCC用と思しき、A4クワトロです。
ボディ一面に描かれた四つのリングが印象的なカラーリングですね。
そしてチェルシーと並ぶこの黒いアウディ80こそが、
かって我が家で12年の長きにわたって、家族の一員だった“思い出のアウディ君”です。
’90年代初めにヤナセがVW販売から撤退をするという時に、
「在庫の中から買ってくれるなら大幅な値引きをします」と、ヤナセのセールス氏に言われ、
まだ“稼ぎ”のあった頃だったので、思い切りよく買ってしまったんでした。
小さかった息子たちを乗せて家族であちこち出かけたり、
買い物や通院等、文字通り奥さんのアシとしても活躍し、
やがて息子たちも年頃になり、あちこち傷を付けながら運転を覚えたのもこのアウディでした。
最後は修理費が次第にかかるようになり、出先で立ち往生したのを最後にあきらめました。
この35年ほどたまに少しの間をはさみながらも、ドイツ車と共に過ごしています。
なぜ改めてこんな話を書くかと言うと、やっぱりミニとはちょっと違う“世界”があるんです。
突き詰めれば、クルマなんか走ればどれも同じかもしれないけれど、
機械を操縦する感覚に、改めて感銘を受けたり、感心したり・・・「なるほど」の世界があるんです。
今乗っているゴルフバリアントにしても、ツインクラッチのセミATという凝ったキカイが嬉しいです。
正確に組まれたパーツが超高回転で廻っているような、ミリ単位の楽しさがあるんです。
ミニを走らせる時のワクワク感やドキドキ感はないけれど、知恵を絞った精巧なキカイの面白さです。
毎年、浜名湖へ行くときも、深夜の高速道路でコイツと対話することは決して苦じゃありません。
空気を読めない場違いな場所、たとえばミニのイベントなんかでも、
こういうシチュェーションのときは迷わず、ゴルフのキーを取ります(笑)
自分にとってドイツ車は、今までに6台も乗り継ぐほどとても面白い乗りものなんです。
でもこのゴルフ、実はメキシコ製なんですよね(苦笑)
2010-10-08 21:52
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アウディの歴史??知りませんでした。ここにも戦後があるんですね(笑)
アウディといえば、80年代の空力の名車100Cとか好きでした。80も良いですね。今のモデルはTTを除くとグリルがでかくてチョット・・・・
VWはビートルが生産停止なんですって!?
by komakura (2010-10-09 02:23)
アウディって歴史もなかなかあるんですね、ミュージアムで知ったんですが
デザイン的にはおとなしかったり先進的なものもあったり。
不思議な形と言われるようなデザインにひかれます。
by いっぷく (2010-10-09 06:10)
komakuraさん
VWビートルの生みの親、ポルシェ博士も戦争に翻弄された一人でしたね。
科学技術の多くは戦争のために大きく発展したなんて・・・
なんとも皮肉なことですよね。
最近のVWやアウディに積極的に使用された“ワッペングリル”という、
あのでかくて間延びしたようなグリル・・・
モデルチェンジでオーソドックスなデザインになったら、
かえって旧型の大きなメッキグリルの中古車に人気が出たという、
日本ならではの話でしょうが(笑)
ゴルフのフロアパンが次世代の大きさになったせいでしょうか、
それを使うビートルはなくなりますね。
次は話題の1ℓ3気筒かハイブリットで戻ってくるといいですね。
by 1275GT (2010-10-09 08:47)
いっぷくさん
日本ではVWに比べてスポーティなイメージが売りのようで、
デザインはカッコいいのですが室内が狭かったりして・・・
アウトウニオンやDKW等の個性的なモデルは面白いですね。
ホルヒは高級車ですし、年代的にちょっと馴染めませんが。
ミュージアムに行かれたんですね。
ドイツにはメルセデスをはじめとして、ポルシェやBMW等々、
いつかは訪れてみたいミュージアムがいっぱいです。
by 1275GT (2010-10-09 09:13)
冒頭のヒルクライムは、生身の人間だったら・・・瞬時で完全に高山病です・・・すごいマシンですね。
by ベアトラック (2010-10-13 23:14)
ベアトラックさん
満足にガードレールもない狭くて急な山道を、
それこそ全開でカッ飛んでいく様子は、YOUTUBEで見られます。
こんな荒唐無稽なことを考えるのはアメリカだからこそで、
このレースに長い歴史があるのも、アメリカだからこそ・・・ですね(笑)
by 1275GT (2010-10-14 20:03)
興味無いんですけど・・・勉強にもなりました。
しっかしすごいです、その知識!
間違いなく自分の方が先に消えますので宜しく!(笑)
歌を作りました!
「輪!輪!輪~!輪が四つ~♪」
スイマセン盗作です!
もう時効かと・・・・・。
by ちんたん♪ (2010-10-15 22:59)
ちんたん♪さん
何の役にも立たない知識ですから~(笑)
このブログを書き続けることによって、ボケの速度を少しでも・・・
カテゴリーはどんどん増やしますよ。
う~ん、スリーグレイセスで来ましたか。
大丈夫、時効です(笑)
by 1275GT (2010-10-16 21:25)
ねこざかなさん
nice!有難うございます。
ミニチャンプスのスポーツクワトロを買ったのがきっかけで、
また再び独車特集になっちゃいました(笑)
by 1275GT (2010-11-01 08:38)