ビートルズと謎のクルマ達(成功の証し・前編) [ザ・ビートルズ]
ジョンの“サイケ模様”に塗られたロールス・ロイス・ファンタムⅤは、
ビートルズのクルマとしてあまりにも有名な存在ですが、
このクルマのたどった道のりは持ち主のそれと似て、波乱の生涯だったのです。
’65年にジョンのもとに納車された時は、純正色の黒塗りのフォーマルなたたずまいでした。
モデルはデインキー。
ジョンはその黒が気に入って、当時持っていたミニやVWビートル、
フェラーリまでも同じ黒に塗ってしまいました。
ミニのモデルはエリゴール。
MBE勲章を授与されたときに、バッキンガム宮殿に行ったときもこのロールスでしたね。
すでにホイール(キャップ?)は黒く塗られています。
この後あのRRの象徴とも言うべきグリルも黒くしちゃったそうで、
まぁ、縁の無い世界とはいえもったいないことを・・・(笑)
このロールスが気に入っていたジョンは、後部座席にラジオ、ソニーのTV、
さらに電話!、冷蔵庫!まで付けていました。
ちなみに、これらの改造をを行ったのもミニと同じラドフォード社です。
’67年、次第に黒いロールスに飽きてきたジョンは、個性的なペイントを施すことを思いつきます。
時代はサイケ、ヒッピーという言葉で表される自由奔放な世界観を持つ文化になっていました。
ジョンは自分のJ160Eやピアノ等のペイントも手がけたThe Foolという集団に、
この奇想天外なデザインを依頼します。
息子ジュリアンと一緒に写っているジョン。
ジュリアンが可愛いですねぇ。
去年、トゥルースケールから出たサイケ・ロールスです。
ミニカー市場はこんなマニアックな物にも目を向けるほど、
狭くなってきているのでしょうかねぇ。
それとも購買層の年代が上がってきたせいでしょうか?
なにはともあれ、“あのロールス”を細部まで模した精巧なミニカーが、
キット完成品の1/3程の価格で手に入るのも、中華の国のおかげですね(笑)
’68年にジョンと一緒にアメリカに渡ったロールスはアメリカで売りに出されますが、
結局希望の価格で売れなかったため、’70年にジョンの元に戻ります。
’77年に税金ためにニューヨークのクーパー・ヒューイット美術館に寄付されるまで、
しばらくジョンのもとにあって、ローリングストーンズやボブ・ディランに貸したりされていました。
クーパー・ヒューイット美術館で’78年から’79年の間展示された後、
しばらく保管されていましたが、’85年のサザビーズのオークションに出品されます。
個人の実業家が邦貨にして5億5千万円という高額で競り落とし、
’86年カナダのバンクーバー万博に貸し出されています。
まぁ話題作りのためと思われますが・・・(笑)
その後もいくつかの博物館を経て、その間にレストアもされて今もカナダにあるそうです。
ジョン・レノン・ミュージアムがもし復活するようなことがあれば、ぜひ欲しいですねぇ(無理かなぁ)
ジョンはもう一台同じファンタムⅤの白いのも持っていたようですが、
これが後にリンゴに譲られたロールスなのでしょうか?
ジョンは基本的に運転はあまり得意ではなかったことがわかっています(笑)
特にこのフェラーリには手を焼いたようで、クラッチを何回も交換したそうです。
納車された時にはグリーンだったのですが、前述のようにやがて黒に塗り替えられます。
これは後にオークションに出てきたときの姿ですが、明るいブルーになっていますね。
フェラーリ330GT2+2は大小2個のライトが一対になった、
特徴的なフロントマスクをしています。
これはジョンが運転席にいる貴重なショットですが(笑)
下の写真のシートの形などと比べてみても、このフェラーリ330GT2+2と思われます。
これは謎の写真です。
ダッシュボード等から見てこのクルマの裏焼き写真ではなさそうです。
明らかに左ハンドルのフェラーリでしょう、しかもジョンは不敵な笑みを浮かべています(笑)
同時期にジョンが所有していたVWビートルですね。
アビーロードのジャケットに白いビートルが写っていて、
ジョンのものだという説がありましたが、
あれは偶然写りこんだもので関係ないと言われていますね。
でもナンバーが写っているので、何か作為も感じます(笑)
もし実在すれば、欲しがるビートルマニアは数多くいるでしょうね。
それにしても同時期にミニとビートルとフェラーリとロールス、この組み合わせは・・・
全く意識していないのか、それとも相当なマニアなのか、ジョンは難しい(笑)
ビートルのミニカーなんて・・・って思っていたら、トミカしか探せませんでした(苦笑)
ジョンは車の運転が得意ではなく、早い時期に運転手を雇っていました。
最初のミニを買った時にはまだ免許も持っていませんでした(笑)
アビーロードのスタジオで撮られたミニから降りる写真も、
ジョージのサイケ・ミニの写真も、いつも助手席側にジョンは写っていましたね。
この写真は珍しいと思います。
何故なら、この白いオースチンマキシを運転して、あわやという事故を起こしたからです。
で、このオースチン・マキシ、調べると実に興味深いクルマなんです。
ジョンとはあまり関係有りませんが、あくまでも今回はクルマがメインなんで・・・(笑)
まず、かのアレックス・イシゴニスの最後の作品として’69年に生まれ、
ミニと同じエンジンとミッションの2階建て構造、ハイドロサスペンション等、
ミニやADO16で成功したメカニズムの集大成ともいえるクルマです。
さすがの優れた設計も’70年代に入るとVWゴルフ等の出現によりいささか古くなってしまい、
さらに大きくなったボディや排気量の大きいエンジンには向かなかったのか、
マイナートラブルの連続で評判を落としてしまいます。
改良を重ねて’81年までは作られて、日本にも当時の代理店キャピタルを通して入っていますが、
残念ながら、実物を見たことはありません。
1275GTにも通じるフロントマスク・・・上物の売りがあったら・・・おっと危ねぇ(笑)
でー、事故はスコットランドの細い田舎道で起きました(戻ってますよー)
家族(ヨーコ、ヨーコの娘キョーコ、ジュリアン)を乗せていたジョンは、
交互にすれ違うⅠ車線の道(どんな道なんだ?)で対向車に驚き、
道路わきの溝に突っ込んで自爆、
マキシは大破して、ジョンはもちろん他の乗員も大けがをしてしまいます。
“戒め”のためか?自宅の庭にこのマキシをオブジェとして置いたという写真ですが、
たぶん世界で1番余裕の“やっちまった”絵に見えますよね(笑)
とても長くなりそうなので・・・後篇へ続くということで(苦笑)
2012-01-08 22:05
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サイケなRRは、ファンでなくとも有名な1台ですが・・・
このようにキチンと紹介してくれると、ジョン・レノンはおおらかというかB型タイプというか、ちょっと他のビートルとは異質ですね(笑)
by komakura (2012-01-13 02:31)
ベアトラックさん
遠くからnice!有難うございます。
自分もカメラ片手に旅に出たくなりました。
もちろん仕事じゃないです(笑)
by 1275GT (2012-01-13 20:08)
komakuraさん
ジョンは一番人間臭いというか、
弱いところも見せるひとですね。
マザコン丸だしの、わがままなダメ男だったり、
子供の面倒を良く見る良い父親だったり、
ほんと、ジョンは“面白い”です。
by 1275GT (2012-01-13 21:25)
ロールスの話題はMINIファンにはツッコミにくいですね!?(笑)
私は「バークにまかせろ」くらいしか思い浮かびません。
いつもながら貴重な画像ありがとうございます。
by T-Bone (2012-01-15 10:44)
T-Boneさん
内容が次第にヲタクっぽくなってきたのと、
ワタクシが得意とするいい加減なうんちくもメッキが剥げてきたようで、
MINIファン用にオースチンマキシなぞトッピングしてみましたが・・・(笑)
内容からは、人間“ジョン・レノン”が見えてきませんね。
うーん、後篇は仕切り直しですかね(笑)
by 1275GT (2012-01-15 18:19)
オースチンマキシ・・・初めて知りました。
ミニカーは出てるのかなぁ?
サイケRR、とてもソソられますが・・・1/43は自粛中。
いつまで我慢できるのか自信ないけど(苦笑)
by ねこざかな (2012-01-16 03:31)
わ~、ジョンのミニのミニカーって、出てたんですか~?
恐れ入りました・・・。
黒ミニ乗りとしていつも興味深いのはガラスです。
今の様なフィルムなんて無かったのでしょうから
どうやって透過性のある黒いガラスにしたのか。
やはり一点物で作ったんですかね?
まあ、金に糸目は無いのでしょうけど・・・。
いつかやっちまいたいですね((笑))
by ちんたん♪ (2012-01-16 10:03)
ねこざかなさん
オースチンマキシ、探したんですけどねぇ・・・
レジンのキットはあるみたいですが。
あんまり特徴も無い、いわゆるブレッド&バター・カーですからね。
ミニといいマキシといい普段の足はやっぱりフツーです(笑)
今や1/64でも良く見えない状態なんで、
そのうち1/18になるかも・・場所は無いけど(笑)
by 1275GT (2012-01-16 20:06)
ちんたん♪さん
昨日はお疲れさまでした。
あの黒ミニのミニカーは、エリゴール(仏)製で、
偶然ホイールや内装も真黒なのを見つけました。
ジョンのミニはバンパーもグリルも黒く塗っちゃったんですよね(笑)
サイケロールスは始めフロントウインドウも黒かった見たいです、
さすがに危険と言うことで、“見える”様にしたみたいですが。
ガラスは、自分も作りものに1票ですね(笑)
by 1275GT (2012-01-16 20:54)